本を読むときに、テキストに蛍光ラインや赤線を引いてきました。

でも、引いただけで、そのまま放置されていました。

せっかく、そのときに何かを感じて引いた蛍光ライン・・・

そんな蛍光ラインたちをときどき、ここに書き写して行く事にしました。

37. 『戦後政治の証言』p200 宮沢喜一 (読売新聞社)

タリー・タウンでの用件は、デヴィット・ロックフェラー氏の肝いりでアメリカ、ヨーロッパ、日本の民間人会議をつくることになり、その準備会を開くことであった。のちにカーター政権の安全保障担当補佐官になったブレジンスキー氏が事務局長役をつとめ、三地域からからあつまった数十人が二日間みっちり話し合った。このときの会議がもとになって、翌昭和48年秋、日米校委員会が設立された。政治家、外交官経験者、経営者、学者ら約三百人が参加して政治、経済の問題を討議し、各国の政府や国際組織に具体的な政策提言をしている。その趣旨と実績から、”民間サミット”と呼ばれる国際会議である。

「戦後政治の証言」というタイトルのわりには、驚くような内容は書かれておらず、良く言えば抑制の利いた落ち着いた語り口の本だ。それでも、こうしてぱらぱらと読み返してみると、今は時代が本当に変わり目だということがわかる。日米欧委員会を立ち上げたデヴィット・ロックフェラーはまだ存命だがすでに96歳という年である。もう、日米欧委員会が開催されても日本来ることはなくなったと聞く。彼の影響力は確実に低下している。その隙間をついて、ジョセフ・ナイやアーミテージ周辺の影響力が大きくなっているということだろうか。金融屋と戦争屋、前者のほうがまだソフトな感じでいろいろ要求してきたみたいだが、後者はかなり荒っぽいと聞く。日本側も柳のような対応ができる役者がいないようで、脅せば簡単に通るとばかりにジリ貧ジャイアンは、かなりちょびちょびしている。

投稿日:2012-10-21