本を読むときに、テキストに蛍光ラインや赤線を引いてきました。

でも、引いただけで、そのまま放置されていました。

せっかく、そのときに何かを感じて引いた蛍光ライン・・・

そんな蛍光ラインたちをときどき、ここに書き写して行く事にしました。

7. 『日本の電気産業に未来はあるのか』p202 若林秀樹 (洋泉社)




現在進行中のデジタルバブル崩壊は、大手家電・民生電機業界の体制を壊すことになろう。すでにデジタル家電バブルにおいて、じわじわ長期間に渡って価格破壊が進行してきた。その中で、水平分業化はさらに進み、スマイルカーブの変化をも促進した。そうした流れが業界構造を大きく変えていこう。


3年前の2009年4月に初版発行の本。80年代後半から90年代にかけて、電子立国日本を体現する電気産業界にいて、その勢いを知っている者としては20年でこんなにも変わってしまうのかと、寂しい気持ちにならざるを得ない。しかし、栄枯盛衰、諸行無常からは誰も逃れられない。ある意味必然の結果でだろう。さて、今は水平分業が力を持っていて、垂直統合モデルだった日本企業がやられている構図だが、歴史は螺旋的に繰り返すので、水辺分業モデルが行き着く所まで行けば、振り子のように新たな垂直統合モデルが再び力をつけて、盛り返してくるだろう。製品の製造だけなら、アップルも水平分業モデルだが、MacOS、iOSiの開発やTunesなどの配信サービルまで含めると、広義の垂直統合モデルといえるかもしれない。日本の企業もこのまま、席巻され、朽ちて終わるわけがない。復活すると信じている。

投稿日:2012-09-21