本を読むときに、テキストに蛍光ラインや赤線を引いてきました。

でも、引いただけで、そのまま放置されていました。

せっかく、そのときに何かを感じて引いた蛍光ライン・・・

そんな蛍光ラインたちをときどき、ここに書き写して行く事にしました。

24. 『間違いだらけのTPP』 p173 東谷暁 (朝日新聞新書)

他の加盟国に乗り込んでいる自国企業に不当な扱いを行ったとして、その企業に投資をしている投資家(投資会社)が、経済協定違反で訴えるという事態が生まれるのだ。実は、すでにこの「投資家ー国家紛争」は、これまでに世界で三百件ほど生じており、その多くが東ヨーロッパや中南米の国々が関係しているケースが多い。しかし、いま注目すべきはTPPのモデルであるNAFTA(北米自由貿易協定)域内で生じた投資家−国家紛争である。
まず、S・D・マイヤーズ事件だが、これはカナダのPCB廃棄処理をビジネスにしていたアメリカ系企業S・D・マイヤーズが、カナダ政府によるPCB輸出禁止によって経営困難に陥ったことから、カナダ政府を訴えた事件だ。ICSID(投資紛争国際解決センター)の仲裁廷は、この紛争をカナダ政府が内国民待遇違反を犯していると判断した。
また、メキシコ政府が甘藷糖以外の甘味料を含む飲料を移送するサービスに20%の税金を課すことにしたが、同国内でコーンシロップを製造していたアメリカ系企業ALMEXが、メキシコ政府は内国民待遇に違反しているとして仲裁を求め勝訴したADM事件がある。


他にもACTAなど、いろいろあるのだが、まずTPPは本当に危険なので、連続で断固反対を表明する。TPP加盟国が定めた環境基準などを、外資企業が異議申し立てをして、覆すことができるのだ。一見、投資紛争国際解決センターなんて公平そうな機関が裁くことになっているが、こんなの八百長試合になるのは目に見えている。多国籍企業にとって、遠く見知らぬ国の下々の民が健康被害にあおうがどうしようがおかまいなく、儲けに邁進するのは火を見るよりも明らかであろう。

投稿日:2012-10-08