本を読むときに、テキストに蛍光ラインや赤線を引いてきました。

でも、引いただけで、そのまま放置されていました。

せっかく、そのときに何かを感じて引いた蛍光ライン・・・

そんな蛍光ラインたちをときどき、ここに書き写して行く事にしました。

11. 『学力と階層』p22 刈谷剛彦 (朝日新聞出版)


教育の社会学研究において、生徒の社会経済的な背景が、学業達成に何らかの影響を及ぼしている事、言い換えれば、子供が生まれ育つ家庭の社会・経済・文化的な環境によって、学業達成に差異が見られることは、一種の『定説』といってよい。その原因をめぐっては、さまざまな理論が提出されているが、社会的出自が、学校における学業的なパフォーマンスに何らかの影響を及ぼしていること自体は、日本に限らず、現在では疑われることのない、実証された社会的事実であるといえる。


言われてみれば、まさにその通り。経済的に余裕のある家庭の方が、塾に行かせたり、家庭教師をつけたり、することができる。今の進学システムは、いろんな意味で、同じ条件下での競争ではない。かといって、万人にとって公平なシステムを設計することは容易なことではない。しかし、それを是とすれば、ますます階層が固定化し、上位層はますます富を蓄積し、格差が拡大するだろう。能力、意欲のある若者が、その出自の環境が理由で、努力しても報われない社会ではなくて、努力が報われる社会を作り、維持していかなければならないと思う。

投稿日:2012-09-25