本を読むときに、テキストに蛍光ラインや赤線を引いてきました。

でも、引いただけで、そのまま放置されていました。

せっかく、そのときに何かを感じて引いた蛍光ライン・・・

そんな蛍光ラインたちをときどき、ここに書き写して行く事にしました。

1. 『自由論』p240 ジョン・スチュアート・ミル (日経BP版)




すべてのことが官僚機構で行われている国では、官僚が内心反対していることは何もできない。このような国の政治制度は、経験と実務能力をもつ国民をすべて規律ある組織に集めて、それ以外の国民を支配することを目的としている。こうした組織が完成度を高めていくほど、社会のすべての層からとくに能力の高い人材を集め、組織のために教育する事に成功するほど、国民全員が奴隷になっていく。組織内の官僚も例外ではない。被支配階級は支配階級の奴隷になるが、支配階級も組織とその規律の奴隷になるのだ。

19世紀に書かれた文章であるが、まるで今の日本のことを言っているみたい。ミルの時代と少し違うのは、科学技術の発展で、形式上の支配者は各国政府であるが、その政府をコントロールしようとする者が、まったく別のリージョンにいる場合もあり、構造が少し複雑になったということだろうか? でも、この国の人で自分たちがソフトな奴隷状態であると認識している人はどれほどいるのだろうか?


投稿日:2012-09-15