本を読むときに、テキストに蛍光ラインや赤線を引いてきました。

でも、引いただけで、そのまま放置されていました。

せっかく、そのときに何かを感じて引いた蛍光ライン・・・

そんな蛍光ラインたちをときどき、ここに書き写して行く事にしました。

48. 『ドイツ・ユダヤ精神史』p242 山下肇

 1905年、ロシア革命がまさにリベラルな改革を貫徹しようと迫ったとき、シオンの賢者の文書偽造が出現した。これは聖シノドの教権的な一官僧からでたもので、テロと虐殺に皇帝を抱き込み、リベラルな大臣ヴィッテの失墜をねらうものであった。
 ユダヤ教の世界陰謀と、ユダヤ教のフリーメイソン団との結託という説を生み出したこの文書は、その影響力をロシアではなくて英独の翻訳において発揮した。それはイギリスの保守的新聞と、アメリカではヘンリー・フォードによってまともに受け止められたが、世界大戦後のドイツではじめて、人種説を支柱とするその禍い多き意味をかちえたのであった。


陰謀、謀略は、現実に行われている。アラブの春、リビア、シリア、ウクライナ。西側(日本も含む)の大手マスコミが流している内容は、事実とはほど遠いというのが現実だろう。国境を越えて、強欲に富を吸い上げることに捕らわれた残念な人々で構成される巨大資本が影で西側の政府を操り、このどうしようもない世界を作っている。

しかし、国境なき巨大資本家たちをユダ金と決めつけてしまうのは、負の歴史の繰り返しだろう。日本での市井の人の発言を聞いたり、文章を読むと、最近、黒幕はユダ金という決めつけが横行している。遅れてきた反ユダヤ主義にならなければいいのだが・・・・


投稿日:2014-04-25