本を読むときに、テキストに蛍光ラインや赤線を引いてきました。

でも、引いただけで、そのまま放置されていました。

せっかく、そのときに何かを感じて引いた蛍光ライン・・・

そんな蛍光ラインたちをときどき、ここに書き写して行く事にしました。

13. 『カッコウはコンピュータに卵を産む』下巻 p284 クリフォード・ストール (草思社)


ボブ・モリス二世は2000台のコンピュータを麻痺させた。動機は何だろう?父親に対する反抗か?ハロウィンのいたずらか?数千のコンピュータ・プログラマー達をあっと驚かせたかったのか?ねらいは何であれ、父子が共謀したとはとうてい考えられない。のちに私はハーバードのコンピィータ科学者の2、3の友人が犯行に手を貸したという噂を耳にした。(ハーバードの学生ポール・グレアムはロバート・モリスに電子メールで「輝ける大作戦のなりゆきは?」と状況を尋ねている。)しかし、父親がウィルス・プログラムを書くようにそそのかすわけがない。ボブ・モリス1世は言っている。「これでNASAでは立場が悪くなった」


1991年にこの本が日本で出版されたとき、夢中になって読んだ。何者かが、大学のコンピュータに侵入していることに気がついた筆者が、ドイツにいるハノーヴァーという侵入者を突き止めるまでを書いたノンフィクション。91年はまだ日本ではインターネットは一般的ではなかったが、仕事の関係上ですでにインターネットを利用していたので、この事件は非常に衝撃的だった。引用した部分は本編とは別にサイドストーリーとして描かれていた世界初と言われるコンピュータウィルス(ワーム)事件についての一節だ。犯人は、当時のコンピュータ安全センターの科学主任のボブ・モリスの息子ロバートだった。このロバートと友人のポール・グレアムはのちにViawebを設立し、ネットショッピングモールの先駆けとなるサービスを開発し、最終的にはYahooが買収して、Yahoo!Storeの元となった。そして二人はスタートアップ企業にファウンディングするY Combinator社を設立し、成果を上げている。

投稿日:2012-09-27